グローバルオムニチャネル戦略の成功事例：SNSとECの融合が生み出す新たな顧客体験

はじめに

コンサルタントのKoiです。
近年、企業が成功するためには、単一の販売チャネルに依存するのではなく、複数のチャネルを統合し、顧客にシームレスな体験を提供するグローバルオムニチャネル戦略が不可欠となっています。特に、SNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）とEC（電子商取引）の組み合わせは親和性が高く、新たな市場への進出や顧客の拡大に寄与しています。本記事では、その成功事例をご紹介します。

Instagramを活用した商品発信とショッピングの融合

ECプラットフォームShopifyでは、販売商品とInstagramショッピング機能との連携ができます。
Instagramに投稿した写真の上に、商品情報が表示されている投稿を目にする機会も多いと思います。
写真を眺めていて「これ気になる」という感覚と共に、数タップで購入できてしまうのは、昔では考えられないショッピング体験だと思います。これまで顧客ではなかった層にも商品を認知してもらうことができ、販路を広げることが可能な販売方法です。

多くの消費者がInstagramを日常的に利用する中、企業はInstagramをECの一部として組み込むことで、顧客とのコミュニケーションを強化しています。

男性用グルーミングブランド「Beardbrand」は、Instagramのストーリーズや投稿を通じて新製品のプレビューや利用シーンをダイナミックな画像で提供し、製品ページへの直接リンクを提供しています。これにより、顧客はSNS上での魅力的なコンテンツから簡単に製品を購入でき、ブランドとのつながりを深めています。
自社EC：https://www.beardbrand.com/
Instagram：https://www.instagram.com/beardbrand/

Facebookを通じた地域別キャンペーンの展開

Shopifyで管理している商品をFacebookページに、表示して販売することもできます。（日本ではまだFacebook上で商品の売買決済ができないため外部サイトに遷移）
Facebookでの販売の強みは、「Meta広告」を使用して、エリア、年齢、興味など属性を絞り込んだターゲティングができる点です。Facebookを販売チャネルに加え活用することで、新たな顧客を獲得し、ショップの売上を伸ばすチャンスにつなげることができます。

Kylie Jennerの化粧品ブランドである「Kylie Cosmetics」も、ShopifyとFacebookを組み合わせてオンラインセールスを強化しました。Facebook広告を使用して新製品のプロモーションを行い、Shopifyを通じて直接顧客に商品を販売するなど、シームレスなプロモーションを展開しています。
自社EC：https://kyliecosmetics.com/
Facebook：https://www.facebook.com/KylieCosmetics/

SNS活用のまとめ

一般的な成功のポイントとしては、以下のような要素が挙げられます。

1. リターゲティング戦略:
   自社ECストア来訪者に対して、リターゲティング広告、拡張オーディエンス広告をSNS上で展開することで、効率的に潜在顧客にリーチしやすくなります。
2. 商品のショーケース化:
   InstagramショッピングやFacebookショップなど、ソーシャルメディアプラットフォーム上で商品を効果的にショーケース化することが重要です。
3. 迅速なカスタマーサポート:
   SNSのDMを通じて直接メッセージを受け付け、質問や不明点に対する迅速で効果的なカスタマーサポートを提供することで、顧客満足度が向上します。

今回はInstagramとFacebookの事例をピックアップしましたが、その他、YouTube、Google、Pinterest、TikTokなどでの販売成功事例も出てきています。
SNSストアでは、自社ECサイトで提供することができないブランディングを創出し、購買意欲と購買率を上げることが可能です。
これから海外で販売していくブランドにとって買い物客のいる場所を見つけ、新規顧客を獲得していく上では必須のチャネルといえるでしょう。