低コストで中国に出店する方法

ECコラム

背景

こんにちは。コンサルタントのSophieです。
日本経済の低迷により、海外進出を目指す中小企業が増えています。大きな市場のひとつが中国です。しかし、TmallやJingdongのような大手ECモールは準備に時間がかかるだけでなく、投資額も比較的大きいため、多くの中小企業の意欲をそいでいます。投資を抑えて早く出店したいのであれば、まずはWeChatに出店することをお勧めします。そこで今回は、WeChatに出店するメリットをご紹介します。

メリット

●膨大なユーザー数
一番のメリットは、やはりWeChatという膨大なユーザー数を誇るSNSで製品をアピールしやすいということです。WeChatの運営元であるテンセント社が2023年4月に発表した報告書によると、月間アクティブ数は12億を超え、他のプラットフォームにはない優位性を持っています。

●低コスト
WeChat店舗の開設は、他のプラットフォームに比べて費用が非常に低いです。TmallやJingdongのような大手ECモールの1/3ぐらいです。独自のECサイトを立ち上げる場合に比べ、初期費用、月額費用、運用費用などが格段に安く抑えられます。これにより、中小企業やスタートアップでも手軽に国際ECに参入することが可能です。

●準備の速さ
WeChat店舗は、非常に迅速に設定することができます。一般的なECサイトが数ヶ月かかるのに対し、審査から開店まで、わずか十日間での完全対応が可能です。これにより、市場へのスピーディな参入が可能となります。

●SaaSを用いた簡単な設定
多くのWeChat店舗は、SaaSを提供しており、専門的な知識がなくても簡単に店舗を開設することができます。テンプレートやツールが提供されるため、商品のアップロードから注文管理、在庫管理まで、一元的に管理できます。

●WeChatアカウントとの連携
WeChat店舗は、WeChatアカウント(個人・公式問わず)と簡単に連携できます。これにより、マーケティングやプロモーションが効率的に行え、既存のフォロワーを容易にショップに誘導できます。

●ライブ配信の統合
近年、ライブコマースが非常に人気を博しています。また、近年では、ブランドのライブ配信は、徐々に以前のKOLライブ配信を置き換えています。 もしブランドのライブ配信に興味がありましたら、別記事ブランドが「ブランドが中国ECライブ配信の主役になった」を参照してください。WeChat店舗は、ライブ配信機能を統合しており、商品紹介から即時購入まで、シームレスなユーザーエクスペリエンスを提供できます。

●顧客データの収集
WeChatショッププラットフォームは、顧客の購買履歴や行動パターンを詳細に分析できる機能を提供しています。このデータを用いて、マーケティング戦略を練ることが可能です。例えば、商品の推薦やターゲット広告をより効果的に行うことができます。より詳細な設定が必要な場合は、wechat用のCRM(SCRM)を使用することができます。購入履歴やあらかじめ設定したキーワードで顧客を自動分類し、その顧客に適したキャンペーンや記事、クーポンなどを送ることができ、顧客のロイヤリティやLTV、売上を向上させることができます。

●モバイルオプティマイズ
中国の消費者は主にスマートフォンを使用してオンラインショッピングを行っています。WeChatはモバイルに特化したプラットフォームであるため、モバイルユーザーに対する最適化が非常に高いレベルで行えます。

●マルチ言語対応
日本の企業にとっても、マルチ言語対応は非常に重要です。多くのWeChatショッププラットフォームでは、簡体字中国語だけでなく、英語や日本語にも対応しています。これにより、中国国外からの顧客も獲得するチャンスが広がります。

●高度な決済オプション
WeChat Payは、中国で最も普及している決済方法の一つです。WeChatショップはWeChat Payをはじめ、Alipayなどの複数の決済オプションに対応しています。これにより、顧客は自分が慣れ親しんだ方法で安心して商品を購入できます。WeChat payの場合、支払いにかかる手数料は2%のみで、中国の銀行口座を開設する必要もありません。 毎月の収益は自動的に日本の口座に振り込まれます。

●カスタマーサービスの充実
WeChatプラットフォーム内では、カスタマーサービスツールも充実しています。リアルタイムでの対応はもちろん、AIチャットボットによる24時間対応も可能です。これにより、人件費を抑えつつ、顧客満足度を高め、リピート購入を促すことができます。

まとめ

総合的に見て、WeChatショップは中小企業にとって非常に魅力的なオプションです。低コスト、高速な設定、SaaSの利用、アカウントとの連携、ライブ配信といった多くのメリットがあります。さらに、データ分析から決済、カスタマーサービスに至るまで、トータルでのビジネス運営を効率よく、かつ効果的に行えます。日本の中小企業は、このような多くのメリットを活用して、中国ECで成功を収める大きなチャンスをつかむことができるでしょう。

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