働きながら世界を旅する<#1カザフスタン編>

当社は1999年の創業以来、場所や時間、生活環境に縛られることなく、社員一人ひとりが最大限の能力を発揮できるよう取り組んでいます。
フルフレックスやフルリモートの実施、育児・介護との両立支援、さらに近年では国内外でのノマドワークなど、多様な働き方を社員とともに実現しています。社員が仕事と生活の両方を充実させることで、お互いによい影響を与え合い、組織全体の生産性と業務品質の向上に貢献しています。

この連載では、社員が自分らしい働き方を模索し、実践している様子をお伝えします。

はじめに

こんにちは。イーライフシンガポールオフィス所属のグローバルコンサルタント 坂元です。
私は普段シンガポールを拠点に活動していますが、元々旅好きだったこともあり、昨年、思い切って念願のノマドワークを始めました。

現在、月に2~3カ国を訪問し、その地での生活を体験しながら仕事をしています。
本ブログでは、私の海外ノマドワークの体験を通じて、仕事とプライベートのバランスを取る方法や、訪問した国々の文化や、地元の人々との交流について連載していきます。
第1回目は、ノマドワークを始めるまでの経緯と、先週まで滞在していたカザフスタン共和国のアルマティでのノマドワークの様子をお届けします。

ノマドワークを始めるまで

私は、異文化やさまざまな生活様式、現地の人々との交流を通じて豊かな経験を得ることをライフワークとしています。これまで、休暇を利用して世界各国を旅し、日本に戻れば家族や友人と山奥の秘境を訪れるなどしてきました。しかし、生活の拠点を旅先にすることで、より多くの国を訪れ、その地の文化や生活に触れる機会を求めるようになりました。
イーライフは「新しい働き方を提案する」という企業ミッションを掲げ、多様な働き方への理解が深い企業です。そのため、私は世界各国を転々とするノマドワークを自然な形で社内に提案できました。CEOやCMOも海外から業務対応することが多いため、すぐに理解を得られました。スムーズに承認され、入念な準備をすることなくノマドワークの生活が始まりました。
ノマドワークを始めてから1年が経ち、柔軟な働き方に適応できるようになりました。生活パターンは変わりましたが、思っていたよりもスムーズにノマドワークに馴染み、今はこのスタイルを楽しんでいます。

ノマドワーカー:ノマド(nomad)とは、「遊牧民」を表す英語です。
ノマドワーカーとは、まるで遊牧民のように、その時々で場所を移動しながら働くことを指します。

カザフスタン共和国について

さて、先週まで私が訪れていたのは、昔は遊牧民族であり、近代の歴史では旧ソ連の一部だったカザフスタン共和国です。
国土面積は日本の約7倍もありますが、大部分は草原で、人口は1,960万人です。

今回はカザフスタンの南東部に位置し、人口が最も多い都市であり、「りんごの父」という意味を持つアルマティ市に行きました。りんごは、チューリップとともにカザフスタンが原産地とも言われています。
私は今回10日間ほど滞在していましたが、夜は5~8℃、日中は13~18℃と、個人的にはかなり過ごしやすい気候でした。

カザフスタンの平均月給は700USDだそうです。しかし最近はアルマティ市の家賃が急上昇しており、都市部の家賃も700USDぐらいになったため、家賃が比較的低い地方から都市部に通う人が増えていると聞きました。また、ほとんどの人が二つの仕事をしているそうです。家賃が急上昇した理由は、ロシアからの移民がカザフスタンに入国したためです(ロシアとカザフスタンの間で協定があり、就労ビザ等が不要とのこと)。

カザフスタンの文化再興

ノマドワーカーとして世界各地を旅しながら仕事をする中で、私は都市部を離れて先住民の村を訪れ、伝統的な文化に触れることを楽しんでいます。カザフスタンはもともと独自の文化がありましたが、旧ソ連時代にその多くが失われました。近年のロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、カザフスタンでナショナリズムが増加し、古い文化を学んだり実践する人が増えていると現地の人から聞きました。今回の旅でも、伝統的な文化に触れる機会がありました。

カザフスタンの伝統的な服を身にまとった人々が、伝統的な弦楽器(ドンブラ)を演奏する様子や、スピンドルで羊毛を紡ぐ様子

カザフスタンでは馬との深い関わりがあり、馬術や乗馬は遊牧民の文化の重要な一部

写真に写っているのは、カザフスタンの伝統的な服を身にまとった人々が、伝統的な弦楽器であるドンブラを演奏し、スピンドルで羊毛を紡いでいる様子です。また、馬術や乗馬は、遊牧民文化の重要な一部であり、馬の背中でバランスを取る技術は、カザフスタンの遊牧民文化と馬との深い関係を象徴しています。ユルトと呼ばれる伝統的な遊牧民の住居が並ぶ風景も、日本やシンガポールでは見られないもので、非常に刺激的でした。

そして、街を散策するのも旅の楽しみの一つです。下の写真はアセンション大聖堂ロシア正教会です。

カザフスタン最大の都市アルマティにある、このアセンション大聖堂ロシア正教会は、高さ56メートルの正教会の大聖堂です。この建物全体で釘は1本も使われていないというから驚きです。

ノマドワークの魅力

リモートワークの柔軟性を活かして、仕事と現地での生活を自然に融合させるのがノマドワークの魅力です。仕事の合間に現地の食べ物を楽しめることも、醍醐味の一つです。
今回は市場近くにいたおばちゃんと仲良くなり、現地の美味しい料理をたくさん教えてもらいました。一番美味しかったのは、ミネストローネ風の麺料理(Laghman)と、馬乳を発酵させた飲み物(Kumis)です。市場や現地の人々との交流は、旅をより豊かにしてくれます。

また、ツアーガイドを雇ったり、現地の人と仲良くなって文化などを教えてもらうことも、毎回楽しみです。
そしてコミュニケーションの難しさも醍醐味と捉えています。カザフスタンでは、英語を話せる人は少ないですが、携帯アプリやジェスチャーで十分に意思疎通ができるため、不便さを感じることはありません。レストラン等のプライベートのシーンでたまにミスコミュニケーションはありますが、むしろ、異文化でのミスコミュニケーションすら、旅の良い思い出として捉えることができます。
最近では、業務でチャットボットなどを使用することが多く、効率的なコミュニケーションの重要性を感じています。ノマドワークでは、どうすればこちらの意思が的確かつ簡潔に伝わるかを考えることが、普段の業務と共通します。

カザフスタンでの宿泊先と現地のインフラ

カザフスタンでは、ゲストハウスに泊まりました。ゲストハウスを選んだ理由は、同じ価格帯のホテルよりも、仕事に欠かせないWi-Fiの通信品質が高く、安全なインターネット接続が確保できるからです。セキュアなWi-Fi環境を確保することは、私たちの最優先事項の一つです。また、一年中旅をしている私は、ホテルよりも自宅のような雰囲気のあるゲストハウスを選ぶことが多いです。
加えて、世界各国を訪れるために変換プラグも多数持っているので、充電の心配もありません。

日本との時差は4時間ありますが、日本にいる仲間との打ち合わせなどもあるため、毎日朝4時半くらいから仕事を始めていました。時差については慣れているので、特に大変だとは感じませんでしたが、自分でしっかりスケジュールを管理することは大変重要です。
また気候もよかったので、近くの公園で仕事をすることもありました。海外の自然の中で仕事をするのはとても気持ちよかったです。

カザフスタンのビジネスインサイト

カザフスタンのビジネスにおいて、「高価格帯=売れない」というわけではありません。それは、カザフスタンの人々が借金をすることに抵抗がないからです。たとえば、カザフスタンの人々にとってトヨタのカムリは憧れの車で、最初は安価なカムリを借金をしてでも購入し、所得が上がるとより高価なモデルを購入するという習慣があります。このような消費習慣から、カザフスタンでの日本製品のビジネスチャンスも大いに期待できるでしょう。

海外旅行でのトラブル対処法

海外ではトラブル発生は当たり前。カザフスタン滞在の最終日に、空港へ向かう途中でタクシーが故障しました。通常よりも2倍の時間を見て移動していたため、予期せぬトラブルにもかかわらず、無事に空港に到着し、搭乗に間に合いました。
旅の最後にトラブルが発生すると焦りがちですが、余裕を持って行動することで、落ち着いて対処できます。海外での移動は予期せぬことが起こる可能性が高いため、時間に余裕を持つことが大切です。これは普段の業務でも同じですね。

次なる国はブラジルへ!

伝統と現代が融合するこの場所で、異文化に触れながら仕事と生活を両立させる経験は、私にとってかけがえのないものとなりました。ノマドワークの魅力は、自分らしい働き方を模索し続けられるところにあります。

次はブラジルへ向かいます。現地でのノマドワークの様子は、次回のブログでご紹介します。ブラジルならではの異文化体験や、ノマドワークの魅力をお伝えできるのを楽しみにしています。新しい環境での経験や、仕事と生活との融合についてお届けしますので、お楽しみに!

イーライフシンガポールオフィス所属 グローバルコンサルタント 坂元