越境ECでもこわくない!カスタマーサポートの心得~何から準備する?クレーム対応はどうする?~
こんにちは。コンサルタントの多良です。
海外の方に向けて自社の商品を販売したい場合、ハードルの一つになるのがユーザーからの問い合わせ対応ではないでしょうか。英語だけならまだしも、いくつの言語に対応するのか?内容は都度翻訳しながら?時差で待たせてしまうのでは?など、考えだせばキリがありません。
この記事では、対応に必要なチャネルや体制、効果的な運用方法などをご紹介します。
まず何から始める?決めることは3つ
- 受付するチャネルを決める
日本ではお問い合わせフォームやメールで問い合わせを受けることが多いですね。海外の場合は、それ以外にも様々なチャネルからお問い合わせが入ることを前提にしておく必要があります。例えばサイト上のチャット、Whatsapp、SMS、facebookメッセンジャーやinstagram のDM、SNS投稿へのコメントなどからも!もちろん、これら全てのチャネルを終日チェックしなければならないわけではありません。Shopifyと連携できるカスタマーサポートツールには、複数のチャネルを一括で管理できる機能が備わっているものもありますので、効率良く対応していけるようインフラを整えましょう。 - 対応言語を決める
どの国・地域で事業を展開するかによって、対応言語も決める必要があります。英語は最低限必須ですが、場合によっては多言語の対応が必要になるケースもあります。特に公用語と、どの程度普及しているかなどを把握し、対応できるスタッフや翻訳サービスを用意しておくことが必要です。 - 対応する時間帯を決める
基本的には、24時間販売しているECですから、ユーザーへの対応も終日対応できることが理想です。とはいえ、他業務と兼務していたり、業務範囲が広いなど、今の体制では難しい…というケースも多々あります。
まずは四六時中の対応ができないことを前提に、できる限り自動化することを目指しましょう。Shopifyが連携しているユーザー問い合わせツールには、AIを活用した自動返信や、受け付けた言語によってタグ付けをし効率よく対応できるようなヘルプツールも多くあります。また、そもそも問い合わせる前に、顧客自身が知りたい情報が見つけられる自己解決率を高めることも重要です。FAQページを充実させたり、日常的にSNS発信をすることなども併せて計画しておきましょう。
とはいえ、特にターゲットとしている国があれば、将来的には現地時間でタイムリーに対応ができるようスタッフを配置することも検討したいですね。
カスタマーサポートはより良い顧客体験のための基本
せっかく魅力的な商品やサービスを扱っていても、カスタマーサポートが悪ければ印象が悪くなってしまいます。特に気を付ける点と対策について解説します。
■スピーディーな対応
お問い合わせには可能な限り迅速に対応することが重要です。文化的違いとまで言えるかはわかりませんが、日本は”待つ”ことにかなり寛容です。「見たらきっと対応してもらえるだろう」と、半日?翌日に問い合わせの返事が来たからと言って、激昂する人は少ないのではないでしょうか。こうした感覚とは比較にならないほど、海外ではスピード感は求められると思ったほうが良いでしょう。どう返信するか?を考える前に、まずは即座に反応して、「気にかけている」ことを示すことが最優先です。Shopifyと連携できるカスタマーサポートアプリには、受信時の条件に応じてルールを定め、自動的に返信する機能が備わっているものもあります。
事前に想定される問答集を設定しておけば、受信都度あたふたすることはありません。
■「よくある問い合わせ(Frequently Asked Questions)」ページの充実・サービス向上
企業が思う以上に、消費者は「問い合わせる」行動そのものにストレスを感じています。つまり、そもそも問い合わせなくとも情報が見つかる「自己解決率」を高めることが重要ということです。このことは企業にとっても問い合わせ対応のリソース不足対策になりますから、WinWinですね。
米国のある調査によれば、以下のような結果も出ています。
- 58%の顧客がネット上では必要な情報が全て得られず、
- 更にそのうち63%の顧客が10分以上を費やしており、
- また、59%の顧客がわざわざ生身のオペレーターなどに問い合わせなければならないことにストレスを感じている
問い合わせ段階で諦めてしまったり、ブランドイメージが損なわれたりすることで、機会損失にもなりかねないことがわかります。
ECサイトを作って終わり、ではなく、そもそも顧客が問い合わせる必要がないように、商品ページやブランドページを継続して充実させる努力が必要です。
全てを記載しておけなくとも、類似したお問合せがあった際にはお待たせすることなく回答できるよう、企業担当者が問答集をアップデートしていくことも大切です。また、問い合わせ対応後に顧客からもフィードバックをもらえるようにしておけば、実際のお問合せに即したサービス向上につなげることができます。
まとめ
いかがでしょうか。顧客が煩わしい問い合わせフローを経なくともスムーズな購入体験が提供できるよう、常にアップデートをしていくことが必要です。越境ECサイトを整備することそのものがゴールにならないよう、継続的な顧客との関係性構築を見越した準備をしておきたいですね。
また、大前提として、最も重要な点は「プライバシーポリシーの遵守」です。顧客のお問い合わせに対応する過程では当然、多くのプライバシーデータを扱うことになります。日本の個人情報保護法を遵守していればいいと思わず、各国の法律にも関心を持っておきたいものです。特にターゲットにしたい国や地域がある場合もそうでない場合も、どのような法律に遵守していればいいのか?についても、ぜひご相談ください。
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