インフルエンサーマーケティングは本当に有益なのか?【2023年版】本当にメリットある?リスクは?疑問を一気に解決
こんにちは。コンサルタントの多良です。
今や一般的に語られるようになった「インフルエンサーマーケティング」は2000年代に入ってから急速に成長し、代表的なチャネルでもあるInstagramだけでも、2024年には200億円の市場規模になると言われています(国内)。世界でみると、2030年までに10兆円を超えるという調査もあるほど。
企業にとって、避けては通れないプロモーション手法について、改めてどんなメリットやデメリットがあるのか解説します。
インフルエンサーマーケティングのメリットは?
- ターゲット層へ効果的にリーチできる
インフルエンサーをフォロワー数だけで選ぼうとしていませんか?インフルエンサーマーケティングの真髄は、特定の市場やニッチな趣味趣向に詳しい、影響力のある人を起用することにあります。彼らのフォロワーを囲い込むこともそうですが、彼ら自身にブランドストーリーやメッセージを理解してもらうことで、企業のために活動し続けてもらえることが一番のメリットです。いわば企業以外にも広報担当ができるようなイメージですね。投資対効果を高める意味でも、ただ「フォロワー数が多い」「投稿数が多い」という基準ではなく、「本当にブランドを理解して発信してもらえる人か?」を軸に選ぶのが良いでしょう。 - 質の高いコンテンツができる
インフルエンサーにとって、自身のフォロワーとのエンゲージメントが高められることはとても重要なことで、そのために、魅力的なコンテンツを作成しようと日々PDCAしています。商品をただ紹介するのではなく、彼ら自身のライフスタイルに合わせ、ストーリーをもとに質の高いコンテンツを作ってもらうことで、認知だけでなく、商品やブランドの価値を高めてもらうことにもつながります。 - SEO対策になる
インフルエンサーからのリンクや言及は、SEO対策としても有効に働きます。彼ら自身が過去に発信してきた数多くのコンテンツとの関連性やトラフィックなどによって、コンテンツの検索エンジンのランキングが向上すれば、間接的にブランド認知を高めるのにも役立ちます。 - ROIが高い
インフルエンサーマーケティングは、他のマーケティング手法と比較しても高い投資対効果(ROI)があると言われています。理由は、広範囲なコマーシャルや広告をやるのと比較して、特定の興味関心や趣味趣向の人に絞ってリーチができるからです。
つまり、「人気があるから」「なんとなく、見た目がブランドイメージに合いそうだから」という曖昧な理由でインフルエンサーを選んでしまうと、一時的にはエンゲージメントが高まるだけで、継続的にブランドと関わってくれるユーザーを取り込むことにはなりません。せっかく投資をしても、インフルエンサーマーケティングのメリットを生かしきれない可能性があるということですね。
代理店へのディレクションをする際は、現在どんな顧客がいるのか、今後どのような層に拡充したいのか、ブランドの事業戦略を明確にした上でオーダーするように心がけることが重要です。
インフルエンサーマーケティングは運用が肝心
企業担当者からよく聞くのは、「一度試してみました」「新商品のタイミングだけやっています」など、特定の期間や商品に絞ってスポットで実施しているということ。実は、インフルエンサーマーケティングは、一過性のものにしてしまうと非常にもったいないことになります。
例えば、多額の投資をしてフォロワーの多数いるインフルエンサー数名に1投稿ずつ発注したとします。もちろん一時的なトラフィックやエンゲージメントは得ることができますので、上長への報告上は問題ないでしょう。ただし長期的に見た時、数名がコマーシャル的に一方的に発信したにすぎず、いまいち効果がわからない→一過性でやめてしまう→結果的に効果自体も薄れてしまうという悪循環にもなりかねません。
運用のポイントをいくつかお伝えします。
- インフルエンサー選び
ブランドの特性や商品にもよりますが、前述したように、インフルエンサー本人について以下のような点に気をつければ、フォロワー数は数百人程度であっても、長期的にブランド理解者になってもらえる可能性が高くなります。
・ブランドターゲットそのものに近い人か
・ブランドに共感している人か
・フォロワーとの関係性(コメント返信など)があるか - 透明性を持たせる
「やらせ」と思われたくない!という一心で、企業の依頼で投稿をしていることをひた隠しにしようとすると、余計な炎上やトラブルを呼ぶこともあります。
インフルエンサー自身にも商品を体験してもらった上で、あくまでもPRとしてやっていることは伝えましょう。 - コンテンツディレクションのしすぎは禁物
せっかく投資するのだから…と、ついつい、こう言ってほしい、こんな風に伝えたい、と企業側の言いたいことを多く詰め込もうとしてしまいがちです。ですが、受け取る消費者側が、ブランドの価値を理解できなくなってしまっては本末転倒ですよね。
1.のターゲット設定さえできていれば、企業担当者がコンテンツに細かく口を出さずとも、インフルエンサー自身がどうフォロワーに伝えるかを考えてくれます。
商品として間違った使い方など、リスクヘッジだけはした上で、インフルエンサー本人の言葉で投稿や発信をしてもらうことが肝要です。 - コンプライアンスを遵守する
効果を高めようとするあまり、いいねやコメントをしてくれたら◯◯など、場合によっては法令違反になる発信をしてしまうリスクもあります。
3. にも関連しますが、インフルエンサーにもプレッシャーをかけすぎず、あくまでブランドの理解者として活動してもらうよう心がけましょう。 - 戦略設計+効果測定をセットで
インフルエンサーマーケティングで得られる効果とは何でしょうか?多くの場合、魅力的な投稿を作成して発信し、認知が高まった≒いいね数が多く集まる ことが最大の効果と捉えられがちです。
本来は「フォロワーにどう受け取られたのか」が最も重要な点ですので、数週間後に閲覧数やいいね数だけで効果を測るのはNGです。
インフルエンサー自身がフォロワーとコミュニケーションしやすいように、質問への返信をフォローしたり、投稿されたコメントを読み込んでインサイト発掘につなげたり、意外にも発信後にできることもあります。こうした運用をすることで、次のインフルエンサー選定の参考になったり、コンテンツのPDCAにもつながり、投資対効果を更に高めることができます。こうしたフォローは、インフルエンサー自身のロイヤルティを高めることにもなりますので、より長期的なパートナーとして活動してくれる可能性も高まります。
発信しっぱなしで誤った効果測定にならないよう、事前に戦略を立てておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?一言でインフルエンサーマーケティングというと、「フォロワーがたくさんいる人に、ブランドや商品認知を広めてもらう単発施策」と誤解されがちですが、実は事前準備からPDCAと、戦略的に設計することで、長期的にも効果を最大化することができる施策です。
インフルエンサーマーケティングのグローバル市場は右肩上がりですので、海外展開を考える場合は必須の施策ともいえます。長期的な戦略設計と効果測定のPDCAを通して、インフルエンサーマーケティングの勝ちパターンを作っていきましょう。
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