ストーリーと推しに対する投資:新しい消費行動の傾向とは

ECコラム

はじめに

こんにちは。コンサルタントの大山です。
消費行動のパターンは、時代とともに変化してきました。近年、その変化の一つとして注目されているのが、商品の「ストーリー」への関心と、推し(お気に入りの人物やブランド)への出費です。ここでは、その2つのトレンドについて探っていきます。

ストーリーへの消費:商品の背後にある物語への関心

消費者は、商品そのものの価値だけでなく、商品が生まれた背後にあるストーリーやプロセスに興味を持つようになっています。商品の素材がどこから来たのか、どのように作られたのか、誰が作ったのかなど、商品にまつわる詳細な情報が商品の魅力を高めていきます。

例えばクラウドファンディングサイトでは、製品のアイデア段階から消費者が関与し、開発プロセスに一部参加することができます。これにより消費者は、単なる製品を購入するだけでなく、新しいアイデアやビジョンをサポートする一員となることができます。

イーライフで実施しているコミュニティ会員限定LIVEなどでも、開発の人が出てくる座談会は非常に人気が高く、どのような人がどんな思いで、どんな苦労があって作ったのか?を聞くと商品の機能的な良し悪しだけではなく、情緒的価値が高まり「特別なもの」として認識され商品への愛着度が増すことがわかっています。

また、さらには「開発ストーリー」に留まらず、「社会的意義」が消費行動につながっていく潮流も広がっています。
私は恥ずかしながら、こういった流れはZ世代を中心とした若い世代が意識をしていて、世代が高まるにつれて遅れている・・・という偏見を持っていました。が、実は株式会社電通の「エシカル消費意識調査2022」においても意識が2年前と比較しても全年代上がっていることがわかっています。

推しに対する出費:個人への投資と応援

「推し」とは、好きな人物やブランド、コンテンツなどに対する熱烈な応援の意味です。その推しに対する出費は、その人物やブランドへの愛情を具現化する手段となっています。

例えば音楽業界では、ファンがお気に入りのアーティストのコンサートチケットを購入したり、オフィシャルグッズを集めることで、アーティストを直接的に応援します。このような行動は、ただ単に商品を購入する以上の意味を持ちます。それは、推しに対する愛情や、その活動をサポートするという感情が強く結びついているからです。

ただ自分がその音楽を楽しむだけではなく「自分が応援したことでアーティスト(の影響範囲・人気)が育っていき、その過程すらも一緒に追体験をして楽しんでいく」ということが現在の「推し活」の特徴とも言えます。

例えば現在のYoutuberやVtuberは、有料チャンネルの登録やLIVE配信の投げ銭、グッズ販売だけではなく「活動資金支援のサブスクリクション」といったものも収入としています。月300円から人によっては月数万円のコースなど様々なものが用意されていて、それぞれ返礼品がつくような形をとっています。

まとめ

この2つの消費行動の傾向は、消費者がただ単に商品を購入するだけでなく、その商品が持つ背景や価値に対して関心を持ち、さらには自己表現や所属感を得るための手段として消費行動を行うようになっていることを示しています。企業やクリエイターは、この新しい消費行動の傾向を理解し、それに応える形で商品開発やマーケティングを行うことが求められます。

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