日本からアメリカへ輸出する時に課せられる関税は?
こんにちは。コンサルタントのEugeneです。
世界は今、グローバル化の進行とともに、国境を越えた商品やサービスの取引が活発になっています。とりわけ日本とアメリカの間でも、その取引量は増大しています。しかし、国際取引を進めるにあたり、一つの大きな障害となるのが関税と諸税です。
これらの税制度は、輸出入する商品に対して一定の費用を課すもので、これを理解していないと、商品を輸出入する際に予期しないコストが発生する可能性があります。今回は、日本からアメリカへの輸出における関税と諸税について詳しく説明します。
関税とは?
関税は、輸出入商品に対して課される税金の一種であり、一般的には国の貿易政策の一部として機能します。関税は商品が国境を越える際に課され、その目的は多岐にわたります。一つは、国内産業を外国の競争から保護するため、もう一つは政府の収入源とするためです。
アメリカにおける関税
世界関税関連(WCO)は、商品を分類し関税の計算基準として、国際標準化されたシステムを作りました。全世界の大部分(約200カ国と地域)で採用されています。HSコードは6桁の数字で構成され、前半4桁は商品グループを、後半2桁はその商品のサブグループを示しています。
一方アメリカでは、HTS(Harmonized Tariff Schedule)を使用しており、HSシステムより詳細な商品分類システムです。HTSはHSコードの基本構造をベースにしつつも、固有の追加桁を含んで商品をより具体的に分類します。例えば、HTSUSは最大10桁のコードで、より詳細な商品情報を提供します。
アメリカへ輸出する際の関税率は、取引される商品の種類、輸出国によって大きく異なります。例えば、日本から輸出したTシャツの関税率は、ロシアから輸出したTシャツの関税率より低い。そして、日本から輸出した一部の農産物(メロンなど)は、日本から輸出したTシャツの関税率はより低いです。
なぜなら日本はアメリカのHTSのColumn 1の国と判定され、ロシアはColumn 2の国と判定されているからです。また、一部の農産物(メロンなど)の関税率が低い理由は、日本とアメリカが締結したJTA(Japan Trade Agreement)が原因です。
Column 2の国と、貿易協定による優遇関税率とは
ほとんどの国からの商品に対する関税率は、HTSのColumn 1に記載されています。これらの関税率が適用される国は、アメリカと「通常の貿易関係」(NTR)を持つ国とみなされます。日本もこのColumn 1の国に当てはまります。
NTRの範囲に含まれない国は通常、「Column 2」の国と呼ばれ、これらの国からの製品に対する関税率はHTSのColumn 2に記載されています。通常、Column 1の関税率より高いのが特徴です。現在、Column 2のステータスを持つ国は、キューバ、北朝鮮、ロシア、ベラルーシです。
Column 1の関税率が適用される多くの国の中にも、特別な貿易協定により優遇関税率も適用できる場合があります。日本の場合はJTAが結ばれています。上述のメロンも、JTAにより優遇関税率で通関できます。
まとめ
日本からアメリカへの輸出における関税は、取引のコストと成功に大きな影響を及ぼす要素です。そのため、適切な輸出プロセスを実現するためには、これらの要素を理解し、事前に計算し、適切に対処することが重要です。
最後に、国際貿易における関税や税制は複雑で、変動することもあります。関税以外にも場合によって、内国消費税(Excise Tax)、商業貨物税関使用料(MPF)、港湾維持料(HMF)などが課せられる場合があります。そのため、具体的な取引を行う前には、専門家に相談することをお勧めします。イーライフでは、越境EC制作と運営に携わる経験が豊富で、税理士事務所と提携しております。
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