越境ECでの送料戦略:送料無料のメリットとデメリット

ECコラム

こんにちは。コンサルタントのEugeneです。
Eコマースは国境を越えて商品を販売する方法として、その存在感を増しています。その中でも、「送料無料」は、多くのオンラインショップで採用されている戦略です。しかし、この戦略を適切に実施するためには、そのメリットとデメリットを理解することが重要です。

送料無料戦略とは

送料無料は、顧客が商品の購入を決定する際の大きなインセンティブとなる可能性があります。オンラインショップはこれを利用し、顧客の購入行動を誘導し、自身の売上や利益を増やそうとします。しかし、送料無料戦略を採用する際には、これが企業にとって経済的に実現可能であるかどうかを慎重に評価する必要があります。この評価には、商品の種類、消費者の地域、配送業者との契約など、多くの要素が関わってきます。

送料無料のメリット

送料無料戦略の採用には以下のようなメリットがあります。

  1. 購買意欲の向上
    消費者は、送料無料のオンラインショップを見つけると、そのショップで購入を検討する傾向にあります。送料を気にせずに商品を購入できるという利点は、消費者にとって大きな魅力となります。
  2. カート放棄率の低下
    送料無料は、消費者がカート放棄を防ぐための強力な手段となります。多くの消費者は、チェックアウトの段階で突如現れる送料によって、購入を中止してしまうことがあります。これを防ぐためには、送料無料が有効な手段となります。
  3. 平均注文額の増加
    特定の金額以上の購入で送料無料を提供することは、消費者に対してさらなる購入を促し、結果的に平均注文額を増やすことが可能です。これは、送料無料戦略の適用による利益の一部を補う方法ともなります。
  4. 顧客ロイヤルティの強化
    長期的な視点で見ると、送料無料は顧客ロイヤルティの強化に寄与します。顧客は送料無料を提供するショップに対して良い印象を持ち、リピート購入の可能性を高めます。

送料無料のデメリット

一方、送料無料戦略のデメリットも理解しておくことが重要です。

  1. 利益率の低下
    商品の利益率が低下する可能性があります。送料を自社で負担すると、その分のコストが利益から差し引かれるためです。この問題は、特に配送距離が長いまたは商品が重い場合に顕著になります。
  2. 配送料の増加
    特定の地域への送料が高額になる場合、送料無料戦略の採用は難しくなります。それは商品の価格自体を上回ることさえあります。このため、地域によって送料無料を適用するかどうかを検討することが必要となります。
  3. 価格競争力の低下
    商品全体の価格を上げて送料をカバーすると、競合他社と比較して価格競争力が低下する可能性があります。このため、価格設定を行う際には、送料を含めた全体の価格を考慮に入れることが必要となります。

どのように送料戦略を選ぶべきか?

送料無料戦略は、企業にとって有益な手段であることが明らかです。しかし、その一方で、利益を減少させる可能性もあります。したがって、適切な送料戦略を選択することが重要です。
まず、企業は自身のコスト構造と利益率を理解することが必要です。これには、商品のコスト、物流のコスト、販売価格などが含まれます。この情報を基に、送料無料が実現可能かどうかを判断します。
次に、顧客の期待と行動を理解することも重要です。顧客はどの程度の送料を許容できるのか、送料無料が購入意欲にどの程度影響を与えるのかを調査します。
また、競合他社の送料戦略も調査します。これにより、自社の送料戦略が市場と一致しているか、または競争力を保つために何を改善するべきかを見つけることができます。

まとめ

送料無料は、消費者にとって魅力的なオファーであり、顧客獲得、顧客満足度の向上、ロイヤルティの強化に寄与します。しかし、その一方で、利益率の低下、配送料の増加、価格競争力の低下などのリスクも存在します。したがって、各企業は、自身のビジネスモデルと市場環境に合わせた適切な送料戦略を見つけるべきです。そのためには、自社のコスト構造、顧客の期待と行動、競合他社の戦略などを理解することが重要です。最適な送料戦略を見つけ、成功の道を歩みましょう。

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